2024-12-31

ゆく年くる年

8月に本が出まして、やっと本の作業が終わって少しは仕事が落ち着くと思っていたのですが、甘かった。
本が出てからさらに猛烈に忙しくなり、ブログも更新できずに年末まで来てしまいました。
年末にこんな状況ですと、よく「来年こそは!」と意気込むものですが、今の時点で既にやる事が山盛りなのでボチボチと無理せずに更新するぐらいの言い方に留めておきます。
ブログを書くのは好きなので、またツラツラ書きたいので来年もどうぞよろしくお願い致します。

今年は本が大きかったですが、整体施術の面でもまた新たな手技が完成したりと充実の一年でした。
本に纏めた事で体操指導も相当やりやすくなりました。先に本を読んで来てくださるので、そこを共有しての体操になるので説明時間が飛躍的に短縮できます。
ただ体操というのは「その人の思い込みを見る」ものですので、先に本を読んで世界を作ってしまう人も多く、別の課題も出てきてどこまで行っても整体は面白いものです。

それにしても今年ほど「ありがとうございます!」を言った年はないんじゃないかなあと思います。
おそらく私の人生史上もっとも「ありがとうございます」を言った年だろうと思います。
「本買いました!」「面白かったです!」「わかりやすいです!」
こんな日本語に対しては「ありがとうございます」しか返せませんので、当たり前と言えば当たり前ですが、それにしても広く多くの人に何かを売る側になるという事は、とても責任の大きなものだなと痛感しました。
あと、自分が本を出させていただいて、何か形を成して完成したものへの批評はもうやめておこうと思いました。例えば映画とか音楽とかも。それを作るときの苦労は当人達しか分からないので、外野の立場であーだこーだ言う気になれない。これは「批判はよくない」という事を言いたいのではなくて、実際に自分で作ってみたら自分の未熟さを痛感して人の作品をあーだこーだ言ってる場合じゃない、という立ち位置が見えた、という事です。
ブログにせよSNSの投稿にせよ、もっとクオリティを上げていけるものだろうと思いますので、精進せなあかんなという思いです。

今年を振り返ればやはり本に尽きるですが、個人的には11月に谷川俊太郎さんが亡くなった事も大きなトピックでした。谷川俊太郎さんは個人的には「スイミー」の人ですね。
なぜ谷川俊太郎さんが亡くなった事がトピックなのかと言うと、昨今の「言語化」の嵐の様な世の中にあって、谷川俊太郎の文体はとても癒されるなと思っていたところだからです。
今の「言語化」の逆の文体です。谷川俊太郎の日本語はとても曖昧で、とても優しい。
例えば「スイミー」では表題が「小さなかしこいさかなのはなし」と、もう既に優しい。
86歳の時に書かれた「幸せについて」では
ニセの幸せと
ホントの幸せ
両方とも美しい
見分けるのは
難しい
と、いきなりニセの幸せにも全然否定的ではなくそれを判断する立場から降りている。この脱力感は歳のなせるものでしょう。今の「言語化の嵐」の世では色々と解説してスッキリしたいのでしょうが、この谷川俊太郎の緩さは今の時代だからこそまた脚光を浴びると思っています。このタイミングで亡くなられた事に何か意味を感じつつ、個人的な目標とさせて頂きたいと思っています。
私の来年のテーマなのです。脱、言語化。

という事で、正月は少し読書をしたいなあと思っていますが、兎にも角にも今年のお礼を申し上げておかねばなりません。書籍を出させていただくチャンスを与えてくださった方々、購入していただいた方々。応援してくださった方々。変わらず整体に来て頂いている方々。
本当にありがとうございました。

来年は4日から仕事です。
みなさまも良いお年をお迎えくださいませ。
ありがとうございました。

体から出てきた言葉を書いて行こうと思います。 読んでくださってありがとう。

奥中伸
奥中伸
平成15年5月より奈良県大和郡山にて開業。奥中式腹部調律整体を中心にして体から余計な力を排除し、骨格を正して重力と親和させます。生きていくのに本当に必要なものは自分の中から湧き上がる。お問い合わせはお問い合わせフォームよりお願いいたします。
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