2024-04-26

手続き

先日東京にて「パンデミック条約」への反対のデモが行われ、すごい人数の人が集まって話題になっていました。デモには色々な思惑や動員があるものですが、それにしても万単位の人が集まったとの事でして、多くの人が不安や憤りを抱えているのは間違いないでしょう。
この「パンデミック条約」とはIHR(国際保健規則)とセットで機能し、大規模な感染症が発生して非常事態になった時に加盟国は国の枠組みを超えてより強権的な感染症対策を講じる約束事です。IHRの改正もセットです。
問題となっているのは(人々が不安なのは)、非常事態時にはその国家の法律よりも条約で決めた約束を守らなければいけないという部分でしょう。

さてここで気になるのが先のコロナ騒動みたいな感染症騒ぎになった時に、国家が条約に基づいて強制的にワクチン接種や拘束などの身体の侵襲や自由を奪いにくるのか?という点でしょう。
ネットで検索すると様々な意見があり、

the sovereign right”(主権的権利)や
respect for their sovereignty”(主権の尊重)

という現行のIHR文言が改訂予定にないのでそこまで心配する必要はない。という意見があったり、
逆に、現行規則では

「規則の実施は、人間の尊厳、人権及び基本的自由を完全に尊重して行なわなければならない」(第3条1項)

と書かれている部分が改正案では

「本規則の実施は、衡平性、包摂性、首尾一貫性の原則に基づき、かつ、締約国の社会的及び経済的発展を考慮しつつ、締約国の共通しているが違いのある責任に従って行われる」

というちょっと何言ってるか分からない気持ち悪い表現に変えられている指摘など色々出てきます。
いずれにせよあのアホらしいコロナ騒動を受けての更なる国際的な取り決めの強化ですので、基本的には良からぬものだろうと思います。

SNS上ではもっと過激に心配している声が目につきますね。ワクチン強制や強制隔離、さらには人口削減計画や統一世界政府構想まで。どこまで心配するかは人それぞれですが、私も当然こんな条約は必要ないし、作らせちゃいけないと思っています。
ただ、私がダメだと思う理由は「due process of law」に反する恐れがあるから、という一点のみです。
「デュー・プロセス・オブ・ロウ」とは
何人も、身体、生命、自由、財産を奪われる時は、法に明確に規定がなければならない。という近代法が最も重要視する根幹精神です。
要するに個人の自由が侵害されるときは「手続き」が明確であり、検証可能であり、それは皆が同意した法律に書いてある事しかできませんよ、という「手続きの保護、保障」の事を言います。
これを言い出したのは欧米社会です。絶対王政や啓蒙専制君主に苦しんだ歴史から、近代化する上での法の最も重要な精神です。昔は王様が気分で人を罰する事ができたのでその反省からのオーダーです。それを今度はまた欧米からの提案で、国の手続きなんかすっ飛ばしてでも感染症対策しようぜと言って来たのです。
あんなに大切にした手続き保護を差し出してでも感染症が怖いのかと。
一応理屈では今回の条約もIHR改定も、皆で合意した正当なルールであり、その上で個人の自由の剥奪があってもデュー・プロセス(手続き保護)に反しないとでも言いそうですが、手続きの保護を放棄する約束によって手続きを作るというパラドクスで到底納得できません。

私がこんな部分に拘るのは、実は20代の頃に少しだけ法律浪人をしまして(結局試験には落ちていますが^^;)、その時に法学に出会い、特に憲法や民法の面白さ、その奥深い部分に過去からの反省や気高い精神性があり、当時の法の制定がとても高いレベルで行われていた事を知り感動した覚えがあるからです。
そして民主主義において、法律はその内容ではなく誰からも分かる形での「手続き」こそ最も重要であると知り、他の分野の考え方にも大きく影響を与えました。内容の是非ではなく、そこに歩む「道」が誰からも検証できるかどうかが最も重要だと。道とは因果を繋ぐものです。因果の是非ではなく、そこがちゃんと繋がっていて、かつ、その道が誰からも見える事(納得性)。これは仏教の因果の道理や今の私の整体論にも通じています。

さてそんな重要な「手続き」を各国から奪う方向のパンデミック条約であり、IHR改正です。
(よく「主権!」「主権!」と言いますが、主権とは自前の「手続き」を確保している事です)
さらに加えて、これらのルールの適用は「非常事態」の時になされるそうです。
はて?その「非常事態」って、一体誰が決めるんでしょうかね?
まさか、インチキな検査で病気認定の人を大量に作って、テレビでそれを毎日報道して、何となく今は非常事態だって雰囲気や空気を作って、それに異を唱える人を抑え込み、偉い人が一方的に「非常事態だ」って言いませんよね?
まさかね。まさか。
それって王様が気分で「非常事態だ」と言うのと何が違うんでしょうかね?
そんな「ねじ曲がった道」で、因果を繋ぐことなんてしませんよね?
仏教では因果を捻じ曲げると地獄行きですよ。
私がこの件で見ているのは、その「道」だけです。

あ、そうそう、日本政府が言っている地方自治法の改正案も全く同じ構図ですね。
非常時に国が自治体に命令できると。
道を間違えると、人も国もどこに辿り着くのか分かりませんね。
自分が歩く道だけは、しっかりと見て行きたいものです。

体から出てきた言葉を書いて行こうと思います。 読んでくださってありがとう。

奥中伸
奥中伸
平成15年5月より奈良県大和郡山にて開業。奥中式腹部調律整体を中心にして体から余計な力を排除し、骨格を正して重力と親和させます。生きていくのに本当に必要なものは自分の中から湧き上がる。お問い合わせはお問い合わせフォームよりお願いいたします。
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