2024-02-17

癌と、入浴

ナカムラクリニック施術に行く様になって癌の方の相談が多いです。
私は医師ではありませんので「治す」とか「治療」は出来ませんし言えませんし、またそのアプローチもちょっと違うとは思っていますが、とにかく多いです。
ナカムラクリニックや私の様な整体師に相談をしに来る方ですので標準治療をしている人は少なく、皆さん独自に色々調べたり、実践してみたり、医者に任せず自分の事として捉えている人が多いです。

癌にいつては以前Twitterで
『癌は見つけちゃいけない病気です、見つけるとストーリーが始まるので』
と投稿して軽くバズってコメント欄にボロクソ書かれたりした事を思い出しますが、まあ今でもその通りだと思っています。
しかしいざ見つけてしまうとやはり何か対策というか、治療法というか、生活改善というか、環境整理というか、癌のない自分を目指すのはこれも当然だと思います。

皆さん色々な事をされていて、玄米食に拘ったり凄いサプリを取り寄せたり、「そんなやり方があるの?」とこっちが勉強になる事も少なくありません。
その中で「入浴」はやはり鉄板で、癌の対策でこれを無視している人は居ないんじゃないかと思います。
しかし実際にそのやり方を聞いてみるとかなりアバウトで、そもそも論として入浴の捉え方が最初から間違っている人も結構居ました。
とにかく「温度」を熱くして入浴すれば良いと思っている人が多いのです。
具体的には、本当は42度ぐらいの温度で入浴したいのに、癌に“打ち勝つ”為に45度まで温度を上げて入っている方が居ました。
体を温めるのにより高い「温度」が必要と思ってしまっている、よくある思い込みです。

体を温める為に必要なのは「時間」です。
お鍋で煮込み料理をする際に、じっくりコトコト煮込んだ料理の方が美味しいですがあれと同じ理屈です。
体の芯まで温めたいのですが、その為には時間を長く入らないと熱が入らないのです。
そしてこの「体の芯」とは何処を指すかと言うと「骨の髄」の事です。入浴は骨に熱を入れるイメージで入ります。こうする事でお風呂を出た後に骨から放熱が始まり「二次入浴」が行われます。これによって出た後も温かいのです。
骨は蓄熱装置でもあるのです。

では具体的に入り方をご説明しましょう。
温度の調整は「時間を長く入っていられる温度はいくらか?」の観点で導き出せば良いのですが、まずは自分が心地よいと思える温度で入れば良いです。
今の時期(冬)ですと、まず欲求として「肩まで浸かりたい」と思う人も多いでしょうから、その通りに入れば良いです。しかしそのまま入っていると満足感を得てしまってお風呂を上がりたくなるので、ここからやる事(入浴技術)が出てきます。
肩まで浸かって体が温まる感覚(最初の満足感)が出てきたら手首を湯船から出します
こうする事で“のぼせる”リスクを無くし、満足感を遠ざけます。
最初の要求を早々に満たしてとにかく手首を出す事が最初の「技術」です。
手が出れば用事が出来ますので、読書したりスマホでメールチェックするなり、何かして過ごせば良いでしょう。

次に、そのまま手首を出した状態で入浴し、そこでまた満足感が出て来そうになったらお湯を減らして行きます。
そうです、お風呂の栓を抜いてお湯を減らして行きます。具体的には3センチずつぐらい減らして行きます。
あとはこれの繰り返し。満足感が出て来そうになったらお湯を3センチぐらい減らす。
最終的に鳩尾ぐらいまでお湯のラインを減らして行けば、結果的に長く入っている事になるでしょう。
この間にお湯の温度が下がって来たら追い焚きはOKです。
この「手首を出す」「お湯の量を減らして行く」事で体への負担を減らし、温度エネルギーをしっかり体に取り込みます。
くれぐれも「しんどい思いを我慢して長時間入るのではない」事を忘れずに。
手を出すのもお湯を減らして行くのもしんどくならない為のテクニックです。

この入り方で、日々の入浴では20分以上。週に一回や月に一回「1時間以上」湯船に浸かればかなり体は対流を取り戻します。
私は「疲れが取れていないなあ」と感じた時には休日を利用して昼間に2時間ぐらい入る事があります。
内臓にも良いし、筋肉にも良いし、関節にも良いし、血液にも良いし、心にも良い。
そうです、これが重要なのですが、これは「癌に特化した入浴法ではない」という事です。
どんな人でもこの入浴法を知って自分の体を管理すべきお話です。私はそう考えています。
たまたま癌の人のご相談でお風呂の話になって、そもそもの入浴とはこういう事だとお伝えする機会が多くなって来ただけです。
実際に「できるだけ熱い風呂に入ればよい」と思い込んでいた人がこの入浴を導入したところ「本当に温まる」「体が全く違う」「癌が治る気がする」とまで言います。
それは癌の治療法としての入浴をしているからではなく、シンプルに体が芯から温まる効能を得て体本来の力を取り戻しているだけですが、とにかくご本人がそう感じる事は良いことです。

お風呂と言うのは体を洗う為に入るのではなく、体を温める為に入る事が主目的です。そのためには時間が必要で、その意味において中途半端にお風呂に入るぐらいならその日はもう入らずにさっさと寝てしまう方が良いぐらいです。お風呂を頂くならしっかり頂く。義務的に入るぐらいならお風呂は無しで早く寝る。
それぐらいで丁度良いと思います。
お風呂が大事大事と思って求めすぎるのも違うでしょうし、でも家にお風呂設備がある事はやっぱり凄い事だし、日々の生活において当たり前になっている事の扱いが自身の健康面に顕れているのだろうなと思います。
あるものをある様に有り難く使い、無いならないで気にしないで生きていく。家にある「お風呂」という設備の扱い方、使い方に色々な事が滲み出ている様な気がします。
せっかく家にお風呂があるのですから、その能力を余す所無く頂きましょう。
次の休日には参考にしてトライしてみてください。
あ、お風呂を掃除してピカピカの状態ならなお効きますよ。是非。

体から出てきた言葉を書いて行こうと思います。 読んでくださってありがとう。

奥中伸
奥中伸
平成15年5月より奈良県大和郡山にて開業。奥中式腹部調律整体を中心にして体から余計な力を排除し、骨格を正して重力と親和させます。生きていくのに本当に必要なものは自分の中から湧き上がる。お問い合わせはお問い合わせフォームよりお願いいたします。
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