補の健康法
昨今は健康に関する情報が毎日溢れています。人が健康でいたいのは当然の欲求ですので、そのため健康系の情報は有り難がられ、需要も供給も大きなボリュームとなります。
私はほとんど人の情報を見なくなりましたが、それでも目にするのですから、健康情報の取得を目的とする人がネットのツールなどを使うとなると、毎日溢れる情報をどう処理しているのか不思議になるぐらいです。
これらの健康情報、健康法は「○○の症状には⬜︎⬜︎が効く」みたいな感じで、主訴に対する対応や改善案を提示するものが多く、見る側もそれを期待して探している向きもあると思います。
これを「主たる名目に対する健康法」と名付けます。
この健康法を実践すればどんな効果が得られるかが分かる方が、それそものがモチベーションとなります。
しかし、物事と言うのは着目するほどエネルギーが逃げる性質があります。
ストーカーで成就した恋愛などこの世にはないのです。追うほど逃げる。がん保険に入るほど癌を認める事になります。しかも保険に入るほど怖い病気だと認める行為です。保険というと自動車の保険ですが、自動車事故の様に理屈が作った物理的な交通システム上で起こり得る事故の可能性と、人体の中で起こる病気事象は最初の前提が違います。そもそもどうして生物が生きているかを解説できる科学はありません。私たちは自然発生的に出現し、全自動で生きているので、実は「○○には⬜︎⬜︎」というロジックは通用しない領域が多いのです。
実際には先人の知恵、財産による主たる健康法は多くありますが、あくまで大枠で“健全に”生きている人が前提のものが多いです。健全に生きている人がちょっと調子が悪くなった時には主たる健康法は効果を実感しますが、ある領域を超え、本当に悪くなるとその健康法すらやる気が起こらず、或いは物理的にそんな動作はできない、みたいな事になります。
だから昔の人は、問題の本質を病気症状という目に見える形ではなく、健全に生きる領域から逸脱する事を防ぐ事に着眼して、そっちの方が病気の本体だと考えました。この着眼点だけでも昔の人の方が優れていると言い切れる根拠となるでしょう。
これを「補の健康法」と言います。直接何かに効くわけではないのですが、なんとなく全体を整える補いをする。人体(自然)は全自動で命のシステムを営んでいますので、なんとなく良い事を少し入れておけば、大きく健全性から離れず、大病の元を日常から遠ざける。
さらに、特定の症状に着目せず、その症状現象にエネルギーを送る事もしない。
この「補の健康法」領域の健康法が私は好きです。そして、それ以外のエネルギーを「本当にしなければいけない事」に向けるのが好きです。
では実際に補の健康法を二つご紹介しましょう。
両方とも手を使います。
夜、寝る時に両脇の下で両方の手を挟み込む。これだけです。寝巻き越しではなく直接素肌に手を当てるのが原則ですが、寝巻の上からも試してみて欲しいです。違いがあるのかどうか。
右脇に左手、左脇に右手というクロスした形になります。10分〜15分で良いです。そこで何か感じるか。
もう一つは、これも寝る時に自分の手をおへその上に置いて寝ます。これだけです。
基本は右手を置きますが、右手の上に左手を置いても良いです。
これはそのまま寝てしまっても良いです。寝てしまうと置いた手も離れてしまいますがそれで良いです。
次の日の朝になにか感じるかどうか。
あれ?これって何に効果があるんでしょうか?
さあそれは自分でやってみて、何か感じるか試してみてください。
「何に効く」とは聞かない方が良いこともあるのです。何か特定のものに効くわけではないが、健康によい事は言っておきます。
たまにはこんな健康法も、良いのではないでしょうか。
全て言ってしまう時代。全て説明してしまう時代。全て答えを求める時代。
そんな時代に、何に良いかわからないが何となく良さそうな事をやってみる。
その時点で、あなたの健全性は既に上がっていると思いますよ。
体から出てきた言葉を書いて行こうと思います。 読んでくださってありがとう。
- 平成15年5月より奈良県大和郡山にて開業。奥中式腹部調律整体を中心にして体から余計な力を排除し、骨格を正して重力と親和させます。生きていくのに本当に必要なものは自分の中から湧き上がる。お問い合わせはお問い合わせフォームよりお願いいたします。