2023-10-06

腹部整体

私は腹部の整体がすごく好きです。
背中を取るのも股関節を取るのも肩周辺を取るのも、受けた人の喜びようが好きで結局は全部好きなのですが、やはりお腹は一味違う。元々は井本整体で教わりましたが、独自に仮説を立ててやっているうちにお腹の沼にはまりました(笑)。
「腹」にまつわる日本語の多さ等でもよく語られますが、本当に腹を決めないと前に進まないし、腹を割らないと本音は見えてこない。腹には本当にその人の全てが表現されていて、腹が分かってきた時は人様を丸裸にできて得意にもなっていました。
しかし今はシンプルに私が「ここは嫌だな」と思うところを通して行くだけです。その人の心理面とかを解説する事は可能ですが、そんな事よりも腹を通す職人に徹して目の前の「つっかえ」を取っていく事に面白さを感じています。
腹は上中下の上下三段と、浅い深いの三層に分けて診ます。さらにその奥の背骨も腹側から取りに行く事もあります。
ええ?お腹側から背骨を取りに行くの?痛くない?と思われる人も居るでしょうが、これがスッキリするのです。全員に必要な訳ではありませんが、取るべき人が来たら私も「よっしゃ!」となります。腹から背中側を取りに行くので、こちらも集中力が求められるし、勝手に高まります。強烈なお腹を取った後は、その日はビールが美味いです(笑)。
この「三層」に分けた事と、背骨まで取りに行くのは独自に作って来ました。
お腹の中に背骨を見つけた時は驚いたのと同時に、現代人がどれほどハードな社会生活をしているのかがよく実感できました。お腹側から背骨を取りに行かないといけないほど「背骨が足りない」のです。これはまたどこかで解説したいです。

あ、整体で「取る」って言い方を度々書きますが、これは「痛みを取り去る」みたいな意味で捉える人が多いですが違います。「相撲を取る」の「取る」です。
がっぷりおつに相撲を取る。の取る。
だからお腹を取る、とは、その人のお腹にがっぷりと向き合うという事です。
向き合うと、良い悪いはあまり問題になりません。ただ現状がそこにあるだけです。

人様のお腹を取ってきたので色々学ばせてもらえたし、世の中は意外とシンプルだとも勉強できました。
そう、結局はシンプルです。
腹は基本的に食べたものを処理する場所。
ご飯が毎日おいしければ、それで良いんです。
それが全てを現しています。

体から出てきた言葉を書いて行こうと思います。 読んでくださってありがとう。

奥中伸
奥中伸
平成15年5月より奈良県大和郡山にて開業。奥中式腹部調律整体を中心にして体から余計な力を排除し、骨格を正して重力と親和させます。生きていくのに本当に必要なものは自分の中から湧き上がる。お問い合わせはお問い合わせフォームよりお願いいたします。
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